蔵王山麓には「蔵王野鳥の森 ことりはうす」がある。道から奥まっているので、人目には付きにくい。
けれど建物が思いのほかに立派、展示物もかなり充実している。
ガラスケースの剥製を見てまわるうちに、タカ、ワシ類へ来た。私はつくづくと見惚れてしまった。イヌワシ、量感あるカラダ、シャキッと張った胸、「オレこそが鳥の大将だ」と宣言しているかのごとき眼光。その近くに、カラダはやや小さめながら全身に威厳をみなぎらせた鳥が。これがハイタカだ。
さて、ヨダカはどこ?あの、「実にみにくい鳥」と断言された鳥は。隅々まで探す。
無い。
係員に聞いてみる。「ヨダカ?たしか、いたはずですが」と心もとない。「ガラスケースでなくこちらです」と指差してくれたのは、樹木展示場の枝の奥。よくよく見るとしょぼくれた土色のかたまりがいる。それがヨダカだった。
ヨダカはヨダカらしく身を潜めていた。
(2012年10月31日)