せんだいメディアテークのブックショップに立ち寄ったとき、風変わりな冊子を見つけた。
白地に「仙台文庫別冊 月刊佐藤純子」とあるだけで、飾り気がない。
開いてみるとマンガ集だ。なんだかおもしろそう。1000円で買って読みはじめる。冒頭は「こんにちは じゅんこです」のワンパターン、絵もうまいとはいえない、だのにふしぎな味がある。内容はふだんの生活が主で、ドジ、グーダラも隠すことがない。つまり虚飾がない。それでいて温かい人脈があって、飲み合ったり旅をし合ったり助け合ったりする。
ふつうであることも捨てたものではないなあと、郷愁のようなほっこりした思いが湧いてくる。
「著者プロフィール」によれば、1978年福島生まれ、仙台駅前の書店に勤務して10年、09年から「月刊佐藤純子」を不定期刊行。出会った人々に配ってきたのだという。こういうとらわれのなさもいい。
(2012年8月19日)