【往還集124】40 肉声

今日は河北新報本社で河北歌壇・俳壇の選者4人の座談会「言の葉の道」。花山多佳子、高野ムツオ、西山睦各氏と自分。
内容は近いうちに新聞に出るから、ここでは特に印象に残った2点について。
河北新報はまともに震災圏に位置するから、投稿作品の質量は前例のないものだった。だから「今回の震災詠はプロの歌人・俳人でなく大衆のもの」だと直感し、「震災詠を考える」の集まりも開きた。第Ⅰ部では3人の直接被災者に朗読とコメントをお願いした。肉声で伝えられるそれは文字によるものとはまるで違う迫力だった。目のまえに作り手がおり肉声があることがこんなにも大きいことだったとは。
これが1点。
もう1点は被災者の作品には迫真性があるが、小さな我が子を失った親からは届いていない。まだまだ作れる状態ではないのだろう。自分たちだって同じ立場になったら、書けるかどうか自信はないーー。  

(2012年8月9日)