仙台文学館ゼミナール「宮沢賢治を読む」は6回目を迎える。本年度とりあげるのは「鹿踊りのはじまり」と「セロ弾きのゴーシュ」。今日は最終回で、「セロ弾きのゴーシュ」。この童話はわかりやすくておもしろく、子どもたちの人気も一、二を争う。
賢治も楽しんで作ったかどうかといえば、それはなんともいえない。なにしろ大正15年に書き起こし、昭和8年まで手入れをしている。ということは最晩年まで推敲したことになる。しかもこの作品には賢治の全音楽体験が裏打ちされている。
いったい賢治はなぜチェロ(セロはフランス語読み)が気に入ったのか、実際のチェロはどういう音色をもっているのか。それを直接耳で確かめたいではないか。
というわけで最終回は特別ゲストをお招きした。仙台フィルのチェロ奏者山本純(じゅん)氏。山本氏は、「第一夜」から順を追って解説してくれ、そこに出てくる全曲を演奏してくれた。 (2012年7月5日)