【往還集124】24 東北はなめられている

宮城県の演劇人石川裕人(ゆうじん)氏が「方丈の海」を準備している。公演は8月30日から。そのチラシにはメッセージがある。

「東北はなめられている。/これがこれからのわたしの芝居を推進させる現状認識と想像力の源になる。/なめられたらなめ返せ、か。」

石川氏でなくても、東北人ならこの一言を一度ははっきりいいたい。根は深いのだ。「白河以北一山百文」といわれて以来、否、いわれる以前から東北は軽視されてきた。
「大震災は三陸のイナカでよかった」
「原発事故もフクシマでまずはほっとした」と胸をなでおろす日本人が3分の2いることも、ホントは知っている。
もし同じ規模の大震災が首都圏を襲ったのなら、国会は党利党略などに走らず、臨時超党内閣を結成し、総力をあげて事に当っただろう。
もし原発事故が首都圏に起きたのなら、内閣も経済界も、けっしてけっして再稼働を口にせず、脱原発でまとまっただろう。
(2012年7月4日)