2日目は岡井隆講演。
久しぶりにお会いする岡井さん、84歳とは思えぬ健在ぶりだ。
講演の日の朝、奥さんの恵里子さんも一緒にタクシーにのり、まずイギリス海岸を案内する。ここには、穂村弘、東直子、加藤治郎各氏も案内した。ふしぎとどの日も晴天で、北上川の水流は豊か。
今回も、炎天のもと、両岸の緑が鮮やか映えている。惜しいことに肝心の海岸状の岩は水底に沈んでいるが。
岡井講演については、べつにまとめる機会があると思うので、ここではセミナーを終わるにあたっての所感だけ書いておく。
これまで賢治短歌はその荒唐無稽ぶりから、若書きとして処理されることが多かった。それに対して私はひとつの短歌作品として評価する価値があると考え、セミナーもその観点から構成してきた。賢治短歌は近代から現代にかかる短歌史上で、最後にのこる未開の宝庫。その掘削作業はやっとはじまったばかりだ。
(2012年7月30日)