とかく人のいっぱいいるところへは、出不精の自分。思い立って、第5回「朗読サロン」へ。会場は仙台中央通りの裏手ながら、瀟洒なふんいきの「ルフラン」。
中国生まれで、2004年から仙台に住んでいる田原(テュアン ユアン)氏の詩の朗読と、池田緋沙子氏のフルート演奏。田氏は『石の記憶』でH氏賞を受賞している。
朗読は進み、「作品一号」にくる。まず田氏が原作を中国読みし、つづいて別の朗読者が日本語訳にする。「馬と私は九メートルの距離を保っている」とはじまる詩。原語では意味を解くことはできないが、中国語の韻律がすばらしく、しばし聞き惚れてしまった。田氏の声も骨太で魅力的。日本語訳は意味がわかるにしても、原語の感じからは遠い。口語訳のせいもある。日本語訳にするなら、文語でなければ韻律の味わいは出てこない。
この問題に直面しているのは、口語調頻出の現代短歌そのものだ。
(11月20日)