もう震災の話題はやめにしようと思いながら、次々に湧いてくるのは我ながら情けない。「福島はかなり危険」という発言だって、はじめは聞き流して終りにしたかった。だのに容易に消えてくれない。
発端は「歌壇」11月号の鼎談「震災後の表現の行方」。川野里子・穂村弘・吉川宏志が参加者。三人は純粋被害者(川野のことば)ではない。このテーマにな ぜ純粋被害の立場にある歌人を入れないのか、企画自体に釈然としないところがある。ただし優れた発言もあるから、鼎談全てを否定するわけではない。
途中で吉川はいきなり「僕はいろいろなデータから判断して、福島はかなり危険だろうと思っているんです」と発言する。「でも、とても言いづらい」と付け加えているが。
この一言で大臣なら、即刻首が飛ぶ。
ちなみに吉川は京都在住。「福島」とはなにを指しているだろうか。福島市か、福島県全体か。
(10月23日)